大波修二 市政への思い

マイナ制度は即刻廃止

破綻明らか 即刻廃止せよ

2023/07/05
底なしのマイナ混乱

     「マイナ混乱 底なし」、ある新聞の1面トップ見出しだ。マイナンバー関連法改悪後も、マイナカードを巡るトラブルが続出。政府は制度堅持と居直るが、破綻は明らか。ご破算にすべきだ。

     政府は、マイナンバーカードをキーに「効率的な行政運営」を掲げる。ところが、思惑とは裏腹にこのありさまである。 

    トラブルは、マイナカードに紐付けられた公的給付金の受取口座が家族名義になっていたエラーが13万件超。他人の口座が誤登録された例も700件超。マイナポータルで他人の年金記録が見られたケースもあった。 

健保制度崩壊へ 

   極めつけは、来年秋に健康保険証を廃止してマイナカードに一本化するマイナ保険証だ。全国保険医団体連合会の調査では、マイナ保険証が機能せず、患者が医療費の十割負担をした事例が700件超もあった。

  十割負担を避けるために受診を控えた例もあったというから、マイナカードが国民皆保険制度を崩壊させるのではないかという危惧さえ抱かせる。 

    健康保険証のマイナカード一本化などを内容とする改悪法は、先の国会で成立した。政府は「マイナカードの取得は任意であることに変わりない。保有は義務ではない」と繰り返したが、保険証廃止はカード取得の強要であり、義務化だ。 

   マイナンバーはそもそも、税、社会保障、災害に限定するから適正に扱うことができるという前提だった。言っていることとやっていることが違う政府を信頼できるわけがない。

汚い手を使って 

     行政のデジタル化の一番の目的は、個人情報の利活用だ。行政にある個人情報を串刺しにし、銀行口座を紐付け、健康保険証を一体化することで個人情報を集積する。つまり、国民はマイナンバーカードによって権力に丸裸にされる。

 「マイナンバー 透けて見える 徴兵制」という川柳を見たが、国民総背番号制度は国が数十年の歳月をかけ、執念深く進めてきた。 

    秘密保護法、安保法制、共謀罪、重要土地規制法、敵基地攻撃能力保有等々、一連の戦争ができる国づくりを見れば、「徴兵制」をあながち絵空事とは言えない時代状況になってきたのではないか。 

     国はマイナカード普及のためにポイント付与とマイナ保険証という「アメとムチ」を駆使した。任意取得という法律の定めを汚い手口で覆す手法は、法治主義・民主主義に反する。マイナ制度は即刻廃止すべきだ。